【VYOND】ビジネスアニメの制作フローについて【ビジネスアニメ】

企業向け動画制作をしている、アニメLaboの寺井です。

この記事はこんな方を想定しています

〇ビジネスアニメ制作を制作側の視点から細かく見てみたい人
〇自社でビジネスアニメ制作をする時、流れを知りたい人

ただし、今回の記事については制作側から見た視点で細かい内容も含みます。
また、当社が取り扱いしているアニメは、テレビで放送されているようなアニメではないため、以下のような方にはオススメしません。

こんな方は読まない方がいいです

〇制作会社などへ依頼するため、制作の流れは別に知らなくていいと思っている
〇テレビで放送されているアニメはどんな流れで制作されているのか知りたい

今回はビジネスアニメ制作に関する流れや、とても重要な企画に関する部分にも触れてお話ししていきます。

寺井

長くなりますが、特に自社でアニメ制作をお考えの方はぜひお付き合いください。動画制作の土台となる部分もお話ししていきます!

目次
 00.大まかな全体の流れ
 01.リサーチ・ヒアリング
 02.企画
  02-1.目的や目標は明確化されているか
  02-2.なぜアニメを用いるのか
  02-3.ターゲットは明確化されているか
  02-4.動画の媒体は明確になっているか
  02-5.伝えたいメッセージは明確化されているか
 03.シナリオ構成
  03-1.企業紹介動画のシナリオ一例
 04.アニメーション一次制作
 05.音声収録
 06.音声はめ込み、最終調整
 07.納品
 08.おわりに

00.大まかな全体の流れ

率直に申し上げると、ビジネスアニメ制作は以下のフローで制作されています。
※私がイチから作る場合の制作フローを参照しています。

<ビジネスアニメ制作フロー>
 ①リサーチ・ヒアリング
 ②企画
 ③シナリオ構成
 ④アニメーション一次制作
 ⑤音声収録
 ⑥音声はめ込み、最終調整
 ⑦納品

重要度が特に高いものは①と②、その次に③です。

気合を入れて記事を書いていたところ、気付けば1記事書けるまで長くなってしまいましたので、初心者向けにビジネスにアニメを取り入れる方法も別記事で解説しています。

【VYOND認定者が解説】ビジネスアニメ動画をメリット・事例などと合わせて徹底解説

それでは、順番に解説していきます。


01.リサーチ・ヒアリング

動画制作をご依頼いただいた際には、ヒアリングとリサーチをします。

正直にお伝えしますと、やろうと思えば、どんな物事もアニメ化できてしまいます。

しかしすぐに動画制作を進める前にヒアリングをして、主にこんなことをお伺いします。

 ●動画を制作する目的は何か?
 ●ターゲットはどんな人か?
 ●過去に動画以外でどのような施策をしたか?
 ●参考動画や参考資料は?
 ●実写動画は制作してあるか? etc・・・

更に、その企業や商品に関するリサーチや、類似資料(同業他社の紙媒体チラシやLP、実験など参考記述etc)へのリサーチも重ねることにより、動画内容について参考資料を集めていきます。

最近良くある動画マーケティングのひとつとして、自社内でコンテンツ動画を量産していくこともあります。
その場合は、どういった伝え方(切り口)から入るか?といった問いかけも有効です。

ご依頼いただいた内容だけでなく、様々な視点で考えるようにしています。

寺井

企画やシナリオ構成をご用意いただき、制作だけのご依頼もありますが、その時でもなるべく参考となりえる動画を探すなど資料を集めるようにしています。

02.企画

企画の段階ではお伺いしたヒアリングやリサーチをもとに、どのようなビジネスアニメを制作するのか、具体的にイメージしていきます。

動画を制作する目的やターゲットをしっかりと明確にし、これらを意識することが大事です。

大きく分けて、ポイントが5つあります。


02-1. 目的や目標は明確化されているか

購入してもらうことが目的なら、ビジネスアニメでその商品やサービスの特徴やメリットを伝えて、LPなどに移動してもらい購入まで、といった大まかな流れがあります。

その商品やサービスの特徴、メリット・ベネフィットを具体的に、そして次の行動をしてもらうことまで伝えることが重要です。

目標も同様で、「月間で動画⇒購入ページへの移動が100回」のように、具体的に目標を定めましょう。
目標を設定すれば、以下のように「次の一手」を考える助けとなるものが浮かんできます。

 ●成功したのか?
 ●失敗したのか?
 ●成功/失敗したのはなぜか?
 ●どこをどう改善するか?
 ●改善すべきは動画か?ホームページか?別のものか?
 ●動画ならどこを改善したほうがいいのか? etc・・

目標があれば成功か失敗か結果がでますので、改善策も含め次の一手を打つための判断指標になります。
認知が目的ならば再生回数やSNSの行動回数(いいね!やシェア数など)が目標値になるでしょう。

可能性が高いと思えるテストを繰り返し、なるべく費用対効果が高い結果を出すために改善していきましょう。


02-2. なぜビジネスアニメを用いるのか

「動画を使いたい!」⇒なぜか?

この問いにしっかりと答えられることが大事です。

例えば、今までにチラシを用いて写真と文字で紹介していた商品を動画でアピールしたい、という場合を考えてみましょう。

「今まではどのような課題があったのか?」

「アニメを使うことでその課題は解決できそうか?」

「実写と混ぜた方がいいのではないか?」

動画を用いるまでの背景が明らかになると、方向性が固まりやすくなります。


方向性が固まると、自然と強調することがイメージしやすくなり、結果的にブレない動画が制作できる可能性が高まります。


02-3. ターゲットは明確化されているか

「すべての人に対して動画を見てもらう!」

とても良いと思います。

ただ、すべての人は「すべて同じ人」なのでしょうか?

性別、年齢、居住地、職業、価値観、家族構成、休日の過ごし方、働く日の過ごし方・・・
食べ物でも飲み物でも、その人によって細かく好き嫌いが分かれますよね。


この中でビジネスアニメを見てもらい、興味を引けたり、共感してもらえたり、欲しい!買いたい!そんな欲求を持ってもらえる方はどれだけいるのでしょうか?

ターゲットにとって魅力的で印象深いアニメの制作に繋がるため、明確なターゲットを設定しましょう。


02-4. 動画の媒体は明確になっているか

自社ホームページ、自社が発信しているSNSなど媒体を明確にしましょう。

例えばFacebookで情報発信を続けており、ある程度認知されているのならばFacebookでビジネスアニメを、といったように理由付けしていくと分かりやすいです。

また、今一度ターゲットの年齢層とSNSごとの年齢層なども見直し、どの媒体が良さそうかを選定しましょう。

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寺井

マーケティング的思考になりますが、例えば企業アカウントとしてYouTubeを運用していき、動画を量産→ホームページなど他媒体とリンクさせていき露出を増やしていくことで、長期的に集客や認知向上を狙っていくことも考えられます

02-5. 伝えたいメッセージは明確化されているか

あれも伝えたい!これも伝えたい!

情報をあれもこれもと盛り込みすぎたり、ターゲットを明確にしないままビジネスアニメを制作すると、内容がうまく伝わらない可能性が高くなります。

せっかく渾身の力を入れて作ったのに、見てくれた人の印象に残ってない・・・そんな状況になる可能性があり、注意が必要です。

打合せして企画を決めた後、アニメーションのスタイルを決めたり、必要素材などを頂いた後、アニメーション制作に入っていきます。

寺井

長くなりましたが、これで動画制作の土台となる「企画書」が完成します!

03.シナリオ構成

企画で制作するビジネスアニメの大枠が決まったあと、それをもとに動画のシナリオ構成を考えていきます。

企画編でもお伝えしましたが、何を伝えたいのか?目的は何か?などによって、動画の構成はガラリと変わってきます。

注意
動画で構成を考える際は常に「視聴者の視点」で考えることが必要です。
視聴者のことを置き去りにした動画は結果が出づらくなります。

・ストーリー形式で魅力を伝えるのか?
・Q&Aのように、実践的に説明する動画か?

動画のシナリオ構成はとにかく幅広く、特にストーリー形式などでシナリオ構成を考えようとすると、アイディアが必要かと思います。

寺井

そこで、当方としては「誰かが使ったアイディアをマネする」ことをオススメします!

セールスライターやLP(ランディングページ)に関する勉強をされた方ならご存知とは思いますが、良く見ている広告はほとんど何かしらの別広告などからアイディアの一部をマネして、それを変更していることが多々あります。

例えば、有名なものの一つとして「二人の若い男」というセールスレターは至るところで利用されています。

始まりの日本語訳部分だけ以下に記載します。

米ウォールストリートジャーナルのセールスレター:「Two Young Man」

「25年前。美しい春の夕暮れ時、二人の若者が同じ大学を卒業しました。」
原文も見たい方はこちら(PRナビ様) → https://prnavi.net/sales-letter-earned-in-the-world/

ちなみに、このセールスレターは1974年に掲載開始され、これまでに20憶ドル以上の売上を上げている「世界一売れたセールスレター」です。

その他、ことわざや格言、誰でも体験している日常などからストーリーを作っていくことも一考。

実際にシナリオ構成を作ろうとした時、まずは大枠から作りはじめて、ある程度の流れを決めましょう。

一例として、私が実際に制作した企業紹介動画のシナリオ構成は以下のようなものから出来ています。


STEP.1
はじまり
会社や事業に関する簡単な解説・何を提供する会社か。事業やビジネスを始めるきっかけ

STEP.2
立ちはだかる壁
事業を進めていく上で壁となったもの。過去の失敗、挫折など 。

STEP.3
転機の訪れ
挫折や失敗から⽴ち直るきっかけ。あるいは⼈物の出会いなど。そこでの気づきや変化。

STEP.4
新たな課題
困難を乗り越えた後に発⽣した新たな問題。 そして、それを解決するために⾏なっていること。

STEP.5
CTA(※)
現在と将来の展望。 そして、最後に問い合わせなどのアクションにつなげるメッセージ。

※CTA=Call To Action・・・具体的な行動喚起。分かりやすい例では「●●まで電話でご連絡ください」など。

はじめはとにかく短い単語をすくいだして文字数を多めにシナリオ構成していき、その後段々と削る作業をしていくと、無駄がないシナリオ構成に仕上がりやすくなります。

寺井

私は制作する動画に関わる内容(メリットなど)をいくつも書き出していき、その後企画内容に沿って「入れる必要があるか?」を考えながら削っていくこともあります。

04.アニメーション一次制作

一次制作はアニメーションの動きや効果をそこまで入れず、完成度7割程度の動画を先に作っていく作業のことです。この時点でデザインなど方向性の確認をすることもあります。

絵コンテだけではキャラクター設計案などまでやりづらいので、私はここのタイミングでキャラクターや背景など設計パターンを各3点ずつほど示していきます。

寺井

動画自体に「ここのシーンはこういう風に動きます」といったメモ書きをしていき、そのシーンごとにお話ししていくこともあります。実際にシーンがあるので、互いにイメージしやすい状態で改めて打合せすることができます

いわゆる下書き状態ですが、ここである程度完成の方向が見えるようにしていきます。

MEMO
もちろん紙ベースに絵コンテを書いてから一次アニメを作っていくことも有りですし、そのように対応している場合も多々あります。

05.音声収録

音声収録は「04.アニメーション一次制作」と同時進行で進めることができます。

音声なしか、機械音声か、自社で用意するか、プロナレーターに依頼するかは基本的に企画~構成の段階で決めておきます。

MEMO
例えば対企業や対個人へ見てもらう商品・サービスPR動画では、ブランドイメージやクオリティを考慮しプロナレーター起用が多いです。私も基本的にこちらをオススメします。

06.音声はめ込み、最終調整

音声データが揃ったタイミングで、音声とエフェクトがコンマ秒単位でタイミングを合わせるようアニメーション設定をします。

注意
タイミングがズレている動画は不自然さを生み出し、それは見ている視聴者にも伝わります。
そしてその不自然さが疑問を生じさせ、動画に集中してもらえなくなる要因となりますから、細かいところも要注意です。


さらに何度も動画を再生し、ワンシーン・全体でのテンポ感など細かく全体確認をします。

主にEラーニングや研修用動画など、字幕を入れる動画もここで細かく調整が入ります。


07.納品

お客様へ最終確認をしていただき、問題がなければMP4データ形式で動画ファイルを納品しビジネスアニメーション制作は終了です。

寺井

余談ですが、自社で動画制作する場合は連絡にかかる時間が少ないため、1週間程度で制作が完了します。


08.おわりに

今回は「制作フローについて」解説しました。
経営者様やご担当者様でビジネスアニメ利用に興味がある方は、以下よりお問合せください。

無料ご相談受付中ですのでお気軽にどうぞ。